家に着くと────


……あ…れ………?


ヒールの高い、細身のパンプスが目に入った。




「───よーこちゃん、帰ってるの??」



ただいまの挨拶もそこそこに、

バタバタっと慌ててリビングに入っていくと、


「あー、トコ。おっかえりー」


あたしを迎えてくれたのは、
───2番目の姉・瑤子ちゃんだった。



「こらっ! 柊子、夕飯いらないなら、連絡入れな!」


一緒にお茶していた母親に、早速怒られ、首をすくめる。


「あー……忘れてた……ごめーん……」


「もー、不良ムスメ! 最近素行が悪いのよー」


「……瑤子ちゃんに、訴えないでよ……」


そんなやり取りを見て、

瑤子ちゃんが「相変わらずね」と笑う。



「あとは郁だけかー。早く会いたいなー」


「────………」


「……トコ?」