「あんた……人徳あるよね……うらやましー……」


「なに? 別に───皆、ヒマ人なんだろ?」


「………雄仁みたいに生きていけたら、人生楽しいんだろうな」


「おまえ、疲れてんの? ───ほれ、しっかりシャウトしとけよ」


ため息混じりのあたしに、マイクが回ってきた。



───駅での思いがけない遭遇に、もっと落ち込むはずだったあたし。



言葉にはしないけど、


……雄仁にも、

賑やかで明るいサークルの皆にも、


気持ちを救われていた。