「あ……あの、ご、ごめんなさい。電話……」
一応断りを入れると、
あたしは数歩距離を置き、通話ボタンを押した。
「もしもし───……はっ!? 何それ!?
……いいけど……そーだけど……
…あのねぇ!
……えー、うるさいなぁ………
おーい、ちょっとぉ……
…電話切らせてっつーの………
はぁ!? バカ!!!」
あたしが逆ギレて、パタンッ!とケータイを閉じると、
………少し離れた所にまだ佇んでいた杏崎未桜が、なぜか吹き出した。
え……なんで………。
あたしが笑われてるの? これ??
「今の………あははは……」
「“今の”って……」
あたしの電話のやり取りに、ウケたらしい。
「会話として、せーりつしてたんですか?」
「成立してない……相手、うちゅー人だから……」
そんなあたしの返答が、さらにつぼったらしい。
………笑い上戸なのかな…?
女子高生は、よく分からない………。