ぼーっ…と考え事をしながら、電車を待っていると、

ふいに、トントンッと肩を叩かれた。



「あれ……郁生くん?」


「駅で初めて会った───早いので行ったんじゃなかったの?」


「自転車、止めるところ、なかなか見つからなくて……

そんで、いざ止めたら、今度は鍵がなかなか上手く掛からなくて……

乗り遅れたら悔しくなって、コンビニ寄り道してた……」


あたしの「最悪…」の呟きに、郁生くんが吹き出す。