柚那ちゃんがあたし達の前で撃たれた。
最初は聖奏くんを庇って。
そして2発目は柚那ちゃんが狙われて。
でも、それだけで悲劇が終わりを告げることは無かった。
相手の総長は残りの弾を無差別にはじき出した。
慶くん、玲、加代ちゃん、そして蓮君がその弾に当たった。
柚那ちゃんは腹部からの多量の出血により意識は失われ、ついには慶くんまで意識を落とした。
後の3人は腕を掠めただけだったから大事には至らない。
でも、また…
2人が同時に消えていく…
そんな予感があたしの中を過ぎっていた。
2人は戻って来ない。
そんなことを一度思うと自分では自分を止められず無我夢中に相手を殴っていた。
「卯月!卯月!もう止めろ!それ以上は危険だ!」
そう言ってあたしは玲君により引き止められ、我に戻った。
先ほどの場所を見れば意識を失った姿の無様な格好の相手の総長の姿。
あたしは急に体が震え出し立つことさえもままならなくなった。