頭の痛さにあたしは目を覚ました。


「ここは…」


覚えていたくはなかった場所


あたしはすぐに拉致られたことを思い出した。


縛られているため動くことはできない。


そんなあたしは周りを見渡した。


そして隣に同じように縛られた卯月の姿。


やってしまった…


あたしはふとそう思った。


「んんっ…」


「卯月?」


「柚那…ちゃん…って?いたっ!」


どうやら卯月も縛られていることに気づいたらしい。


「ここは…」


「乱舞の倉庫よ。」


あの時と同じようなシチュエーションにあたしは思わず目を背けたくなった。


あの時とは違うこと。


それは卯月を巻き込んでしまったこと。


「ごめんね。卯月…」


あたしはぽつりと呟いた。