あれからの俺らは先代が作りあげてきてくれた羨美を解散し、新たに神紅へと名前を変えた。
神紅へと変わると同時に俺と柚那との関係も変わる。
あの頃は口約束でしかなかったものが、今じゃ本当に姫として俺の隣に居てくれる。
そんな中で柚那が出してきた答え。
姫という立場の中でも戦場に立ちたいと。
確かに柚那は羨美の副として共に背中を預け戦ってきた戦友でもある。
戦わせてやりたい
そんな気持ちが無いと言えばそれはきっと嘘になるだろう。
それでも俺には柚那を戦場に立たせたくはなかった。
そこは血を流し戦う戦場
場合によってはどうしても戦わなければいけなく、それは時に涙をも連れてくるもの。
でも俺は柚那にそんな思いをして欲しくなかったんだ。
弘毅さんが烈火の総長をしてる今、もしものことがあれば敵どうしとなってしまう。
そんなのでお互いに傷ついて欲しくはないんだ。
でも、柚那に伝えたように傷ついて欲しくないのも事実だったから、嘘ではない。
そんな柚那は腑に落ちない顔をしてたけど、納得はしてくれたみたいだった。