「好きよ。さとくん。」


そう言うと、さとくんはニコッと笑ってくれた。

本当きゅんきゅんきゅー。


「今、郁子僕に告白した?郁子、僕も郁子好きだよ。」


なんか、言ってる。橘さん。


「お前なんか、好きだって言われたって、お断りだっつーの!ふはははは!」



え、どした副山。



「主語が聞こえなかった?郁子は僕が好きだってさ。はい、しっしっし。」


そう言って、さとくんは手をしっしっしってやって。


「郁子。今日帰りどっか行こっか。」



きゅーんきゅん。


「うん、いく!いきたいー。どこ行きます?寄席は?落語!あ、人力車乗る?」


「なんで、浅草限定なの?」


たのしみ、ふふふ。