「葉純に訊きたいことがあったんだけど、なんかさっきの見たらもう答えは分かった気がするし」


……そうだよ。


葉純が貴弘さんと付き合っているのか。

キスしたっていうのは、本当なのか。

俺は、葉純の口から聞きたかった。



けど、そう思っていたのにできなかったのは、まぎれもなく俺が臆病者だったから。

勇気が出なかったから。

……葉純との関係が本当に大切で、たとえ恋がかなわなくてもいいから、誇れるものでありたかったのに。

最後の最後で、後悔することになってしまった。



「訊きたいことってなんだったの？もしかしたら違う答えかもしれないんだから、ちゃんと言ってよ」


相変わらず、葉純の声は泣きそうに聞こえる。

必死に俺のことを分かろうとしてくれている。

俺のことを、繋ぎとめようとしてくれている。