『楽しみにしてる。』
そう言われたことが嬉しくて、思わず笑顔になってしまう。
……俺って、もしかしてすごく単純な奴なのかな。
「おう」
頷いてから、今度こそ三浦に背中を向け、駆けだした。
外に出ると、涼やかな秋の気配を含んだ風が静かに身体を撫でていく。
────恋なのか、友情なのか。
どちらなのかはわからないけど、三浦が俺のことを大事に思ってくれてるのは、ちゃんとわかっている。
きっと三浦だって、俺が三浦のことを特別に思ってることなんて気付いてる。
もしも、その大きな気持ちがお互いに友情だったなら。
なにも疑うことも無く、なにも悩むこともなく、ずっと傍にいられたんだろう。
『あのふたりの間に入っていける人なんて、いないね』