俺の声にゆっくりと振り返った三浦と、まっすぐに目が合う。


「……なに……?」


返ってきたのは、どこか不安げな声。


三浦が何を不安に思っているのかわからなくて、だけど俺の頭にはそれを考えるほどの余裕は残っていなくて。


────貴弘さんと付き合ってるって、本当か?


キスした、って。

誰にも邪魔できないくらい、ふたりはずっと想い合ってた、って。


……本当なのか。


「……」


そこまで考えて、心の中で盛大なため息をこぼした。


そんなこと、訊けるはずがない。

当たり前みたいに「そうだよ」なんて頷いて、笑われたら。

三浦の言葉で、認められたら。


……怖い。