むなしいような、納得したような。

なんか、複雑な気分。


「……雫」


ポツリと、雫さんが呟いた。


「え?」

「雫。さん、なんていらない」

「は!?いやいや、何言ってるんですか。無理ですよ、いくらなんでも。先輩なのに」


さすがに慌ててそう言うと、雫さんは悲しそうにキュッと眉を寄せ、俯いた。


なんだよそれ……!?



「ちょ、雫さん」

「……」


呼びかけても、顔を上げてくれない。


「しーずーくーさーん!」

「……」


だめだ、これ。


はあ、とため息をついて。


「しず」


雫。


そう呼び終わる前に、ふいに人の気配を感じて視線を上げた。



「!」


思わず、目を瞠る。