意識するより、反射的にそう口にしていた。

話の流れからして、絶対に耳をふさぎたくなるような言葉が返ってくるだろうことは、簡単に想像できたはずなのに。


でも、後悔したところで時間は戻ってなんかくれないし、ましてや一度自分から出てしまった言葉は取り消せない。


次に聞こえてくる言葉が今更ながらに怖くなって、でもそれを遮ることさえできなくて。



「……ふたりがキスしてるとこ、だよ」


耳に響いた声は、やっぱり破壊力抜群。


一瞬、頭が真っ白になった。

……やっぱり雫さんの言葉、無理にでも遮っておくべきだった。


なんて、今更嘆いたって仕方ないけど。


「き、キス、って」


気付いたら、動揺しまくりの震えた声が出ていた。


……ショック受けてるの、バレバレだ、こんなの。