「ぅ…ひっくっごめんなさいぃ~。み、雅君より忍君が好きなのぉっ。鼻血ももっ、出さないようにするからぁっき、嫌いになっちゃやぁ…」


忍君以外みんな目が点になっている。


雅君?鼻血??


頭がついていけていないのだろう。


「…ほんと呆れるよ」


忍君が小さく呟いてゆっくりゆっくり私の方へ近寄ってくる。


「いくらゲームのキャラクターでもね、妬くの。分かった?」


私はこくこくと頷いた。


「真奈美ちゃんさ?俺みても普通なのにそいつの顔みたら鼻血出すんだもん。…しかもそいつ、真奈美ちゃんのこと呼び捨てだし」


いじけたように唇をとがらせる忍君。


忍君は私の目の前に立つと、私をぎゅっと抱き締めた。