ポケットの中にある携帯が急に鳴った。








いつもは楽しそうに聞こえる着信音も、今は、あたしに対する見せつけにしか聞こえなかった。






近くの暗い公園を、携帯の明るいライトが照らし出す。







『着信 お父さん』




出ないよ。




嘘って言ってくれるまで出ないから。









そう言ってあたしは、携帯の電源を切った。








「寒……」




10分くらい経っただろうか。




急に風が強くなってきて、あたしの体に突き刺さる。





「圭介……どうしたらいい?」










その時―――――――――――






「明日香っ!!!!!!」






この声は…





「圭…介…?」