AM8:45 学校正門前

ふぁあ~
何秒かかったろうか、このあくび。
周りからはアホ面で大きく口開けた
おさるさんとか思われてんのか?笑
そんな自虐はどーでもいいけど
変に二度寝したせいでリアルに眠い。
朝飯食ってないしツラオだな、これは。

なんて考え事してたときだった。

バンッ!!!
「いってぇなぁ、誰だよ…って」
「おはよう♪」
「お、おう千奈美か。」
「その残念そうな顔…。私に文句あるのー?」
相変わらず威圧感がすげぇな、コイツは。
「めめめめ滅相もございませぬ!さぁ参りましょう!はははっはははっ」
「よろしい。それでは行きましょうか」
「はいー、お姫様~(棒読み)」
「ちょっと、やるなら気持ち込めて!ノリ悪いなぁもう。」

こいつの名前は遠嶋千奈美(とおしまちなみ
)
高校からの付き合いでなんだかんだ
仲良くさせて貰っている。
学校のヤツからは仲良しカップルだの
適当に噂を流されているが
互いにそんな気は少しもなく、むしろ
その噂を信じさせて俺を苦しめて
遊んでいるのが、この女、千奈美だ。

千奈美は先輩、同期、後輩から
大人気の美人で綺麗な憧れの的だ。
みんなの前では落ち着いた様子で
毎日過ごしているが本音は違う。
みんなから美化された像を裏切らないよう
一生懸命に自分を繕っているのだ。

唯一の高校からの付き合いで
一緒のクラスにいる俺にだけは
常に心を開いていてくれてた。
だからこそ、登下校はだいたい
一緒に帰っていた。

そのせいか、最近の噂では
柏倉樹を呪う会も絶賛活動中らしい…

回りの男どもの目線が鋭いぜ…はは