いつも通りの通学路、いつも通りの電車。

けど、何故だか胸の奥がドキドキしてる。

早く学校へ着けばいいのに、なんて思ったの、久しぶりだ。

あたしのなかの雨は、今も不規則に降り続いている。


…ああ、暑い。

けれどそれも、悪くないなと思った。





「麗奈ちゃーん、おはよー!」


教室に入ると、既に学校に来ていた利乃が、抱きついてきた。

なにそのテンション!

「あっ…暑い!」

「ふふふ、昨日のお昼ぶりだね〜」

「だから何!?」

暑いし、あたし汗臭いし!

無理矢理、利乃をひっぺがす。

キョトンとする利乃を見て、ふう、と息をついた。

…利乃はホント、いつも元気だよなぁ。

羨ましいくらいに。


自分の席へ向かう途中、教室の後ろで話していた池谷くんと、トモの姿が見えた。

池谷くんと目があって、ドキッとする。

…昨日の今日だから、尚更。


「…お、おはよっ」


ふたりにそう挨拶すると、ふたりともそれぞれに「おはよー」と返してくれた。