いつも通りの通学路、いつも通りの電車。
けど、何故だか胸の奥がドキドキしてる。
早く学校へ着けばいいのに、なんて思ったの、久しぶりだ。
あたしのなかの雨は、今も不規則に降り続いている。
…ああ、暑い。
けれどそれも、悪くないなと思った。
*
「麗奈ちゃーん、おはよー!」
教室に入ると、既に学校に来ていた利乃が、抱きついてきた。
なにそのテンション!
「あっ…暑い!」
「ふふふ、昨日のお昼ぶりだね〜」
「だから何!?」
暑いし、あたし汗臭いし!
無理矢理、利乃をひっぺがす。
キョトンとする利乃を見て、ふう、と息をついた。
…利乃はホント、いつも元気だよなぁ。
羨ましいくらいに。
自分の席へ向かう途中、教室の後ろで話していた池谷くんと、トモの姿が見えた。
池谷くんと目があって、ドキッとする。
…昨日の今日だから、尚更。
「…お、おはよっ」
ふたりにそう挨拶すると、ふたりともそれぞれに「おはよー」と返してくれた。