「ホラよく、雨は神様とか空が泣いてるって、いうじゃない。泣きたくても泣けない人のために」

我ながら、痛いコト言ってるな。

でも、気にならなかった。

キャラじゃないとかそんなの考えずに、言ってみたかった。


「そう考えるとさ、神様はこの世に生きてるみんなのために、泣いてくれてるんだなって思うの。みんな平等に、見てくれてるんだなって」


だから、ホッとする。

雨降る空の下で、生きてること。

それが、あたしだけじゃないんだって、こと。


「…雨を見てたら、あたしはひとりじゃないんだなって、思う」


だから、雨は好き。

そう言い終わって、ふぅ、と息をつく。

…どう、思ったかな…

不安になりながら、横を見てみた。

…そしたら。

池谷くんは小さく肩を震わせて、笑いを堪えていた。

傘を持つ手が震えてるから、傘まで揺れて雫が肩に落ちてくるんですけど。