真帆side
陵君の(あ、まだ賭け中のね)頼みで、旅行へ行く事になった僕達
。
薄々、陵君の賭けが負けるなんて気づいてたけどさ。
実は、賭けの内容は簡単で、賭け金は、1000円。
でもね、みんな夢ちゃんを本当の意味で姫としてはまだ疑っていた。
みんな、っていうのは、椎君以外ね。
やっぱり椎君は、イイ瞳をしているんだ。だから勝てない。
お散歩の途中、夢ちゃんが貧血を起こした。
苦しいハズなのに、なんとか誤魔化そうと笑う夢ちゃん。
着ていた薄い水色のワンピースと、高そうな日傘。
さらさら、と、風になびく栗毛を薄くしたような髪。
貧乏、という肩書きがあった夢ちゃんは。
【絶対闇を抱えている】
瞳をしていたんだ。