「嵩、久しぶりね!……紫音君は?」

「あぁ、久しぶり。 あいつなら、あっちにいるぞ」

「わかった。声かけてくるわ」

「おう」


嵩が指差した方向に進むと、私も以前乗った嵩のバイクの後ろに、紫音君がいた。


「紫音君、久しぶり!」

「うわっ!…びっくりさせないで下さいよ」

「うふふ、今日は来てくれて、ありがとう」


相当驚いたらしい彼は、私と微妙な感覚で間をとっていた。


「ほんっとそうですよ。一緒に海って言うのは夏休みの時だったでしょう?」

「えぇ。それに関しては本当に申し訳ないわ」


本当に。だって。


「どうせ貴方の適当な発言でこんなことになったんでしょう?」

「適当?!」


あ、当たってるけれど………。


「まあ、ここまで来ちゃったらしょうがないですしね。……楽しみましょう、夢夏さん。」