綾に荷物を持つのを手伝ってもらって、とりあえず周辺を見渡す。
……よし、忘れ物は無いかな。


「夢ちゃーんっ!早くぅー!」

「はーあーいっ!」


玄関から、賑やかな声が聞こえてくる。何だか急だけれど、楽しみだ。


「……………行って来ます」


小さな声で呟いて、家を出た。
と、突然。


「夢夏ちゃあああんっ!」

「っ、きゃっ!」

「華鈴だよ!覚えてた?!」

「華鈴ちゃん‼︎ 覚えて、る、けどっ!
苦ッ、じ、いっ」

「あわ、ごめんなさい!!」


えへへ、と天使の笑顔で照れ笑いする華鈴ちゃん。本当に可愛い。
妹にしちゃいたいくらい。


「よ、夢夏」