「言えって、本音」


「っ。 ……ちょっと、だけ、心がもやっとしただけだもん……」



馬鹿、と呟いて、椎の胸に顔を埋める。

男の人特有の硬さや、椎が細いのに筋肉が付いている事を実感した。



「イチャイチャタイム終了ー」



香月は私の脇に腕を入れ、べリっと剥がした。

椎を見上げると、意地悪そうに口角を上げながら綾を蹴りに行っていた。



「ぁだっ!!やべぇぞ激おこだ!」

「あんまりこの馬鹿共を妬かせると後々めんどくさいんだよ。
そういう事はホテルでやれ」


「夢夏、ホテル行くぞ」


「、! 行かないわよ!!」


ちょっ、そんな捨てられた犬みたいな顔しないでよ椎……。