私が驚くと、椎以外が一斉にこっちを見た。
そ、そんな驚かないでよ!
「おどっ、驚いたのはこっちよ。なんで先に言わないのよ!」
「・・・・・・・夢夏」
「な、なによ椎」
「驚きついでに言うが、華鈴は鷹松の頭の錦戸の女だ。」
「錦戸・・・・・・・嵩の?女?」
「良かったな夢夏。これで椎に妬かなくていいなー?」
「馬鹿言わないで!! じゃあ華鈴ちゃんは、嵩の彼女って事なの!?」
「そーだよ夢ちゃんっ」
う、嘘だ嘘だ。
でもでも、嘘でも良いかも。
だって、ふわふわしていてもしっかりしている華鈴ちゃんに、それをリードしながら優しい嵩。
・・・・・・・・・確かに絵になる。
「おい。」
「ん?なぁに? 、きゃっ」
ぎゅっと抱き締められて、体の自由が無くなる。
首筋に顔を埋められて、吐息が首にかかり、体がビクッと反応した。
「・・・・・・妬いたのか?」
「っ、違っ・・・・・」
どうしてそんなに低くて、甘い声を出すの椎。
「妬いてたのか、夢夏?」
「っ、離れて椎っ、私、それ以上こうしてると心臓もたないのっ・・・・・・」
「正直に言えよ。 ────俺は最近かなり妬いてたけど?」
耳に囁く椎の低音ボイスが、やけに官能的に聞こえる。