部屋でひとり、動けない体を横たえて天井をぼんやりと眺めていた。顔中が腫れ上がっている。もう深空には何が何だか解らなくなっていた。

 視界が霞み、揺れていた。

(気持ち悪…)

 口の中は、血の味がする。

 なかなか起き上がることのできない彼女の意識はしばらく朦朧としていたが、溜息を吐けるぐらいにはなっていた。

(あいつ、ゴムも付けないで中に…)

 静寂過ぎる、部屋。さっきまでの波打つような空気が一変、嘘のような静けさだった。

(シャワー浴びたい…)

 深空はゆっくりと体をお越し、立ち上がる。一瞬、頭がクラッとしたが、それでもそして腫れた頬をさすりながらゆっくりとシャワールームに向かった。