「――っ」




気が付いたら、駆けだしていた


馬を飛び降りて、彼女に向かって

真っ直ぐに




ホリスが彼女の名前を呼んでいる

グレイスが俺の名前を呼んでいる


そんな事にも構わずに、ただ彼女に向かって駆ける

風の様に、駆けていく





「レイアッ!!」

「アレンッ!!」



ぶつかる様に抱き留めた小さな体は

力尽きた様に、その場に崩れ落ちる


それを支える様に、俺も地面に膝をつく




腕の中にいる

彼女をギュッと抱きしめて