その声を合図に、他の騎士が父を連れて馬を進めだす




「ホリス」



その姿を横目に、グレイスの隣に立つホリスに声をかける

馬の首をその方向に向けて、ホリスと向き直る




「世話になった」

「――あぁ」



じっと、その瞳を見つめてそう言う


この国を守護する者

つまり、彼女を守護する者



今の俺にとっては

ホリスが羨ましくて、堪らない


無条件に彼女を守れるのだから

彼女の側にいれるのだから