思わず持っていた箱を握りしめる

それと同時に、繊細な細工をされた小さな箱が悲鳴を上げる


まるで、俺の心の様に




そんな俺の両手をそっと包み込んだグレイス

その手の暖かさに、はっと我に返って顔を上げる

すると、優しく俺を見つめるグレイスと目が合った



ただただ、俺を見つめるグレイス

優しく細められた瞳が、温かい

その手から伝わる熱が

俺の心を穏やかにする



荒れ狂う波の様な俺の心が

穏やかになっていく