途端に、胸の中にある思い出が弾ける

一気に色を得て、鮮やかに甦る



グレイスと一緒に森の中で食べたレイズの実

美味しいでしょう? と言った彼女の声



そして



レイアの笑顔

嘘だ。と言って、子供の様に笑った彼女の声

美しいターコイズの瞳が柔らかく細められて

俺を見つめる、あの瞬間






――あぁ。

やっぱり、忘れるなんて無理だ



思い出にするなんて

無理だ