そんな俺の姿を見て、照れくさそうに笑うグレイス

そして、持っていた箱を俺に差し出した




「これを」

「これって?」




美しい銀の小箱を受け取って、首を傾げる

どこかで見覚えのある

この箱は...




「レイズの実ですわ。どうぞ、旅の途中で召し上がって下さい」

「レイズ...」




その名前を聞いて胸が詰まる

真っ赤な木の実

弾けるように、口の中に広がる

あの――