「楽天的な御方。本当にこのままでよいのですか?」
呆れた様にそう言って、俺を横目に見つめるグレイス
――‥このままで
その言葉の意味が分かって、思わず押し黙る
答えなんて、出ていないから
あの瞳を忘れたわけではないから
今も真っ赤に燃えている、俺の心
少しでも気を抜けば、駆けだしそうになる
彼女のいる
あの、時の庭へ
でも、それは許されない事だと分かっている
その先に、未来などないから
だから、この気持ちを忘れる事しかできない
そう考えた自分に向かって、ふっと笑う
そんな事できるわけないと思って