「納得できませぬ」
俺の目を見つめたまま、言いにくそうに
それでいて、ハッキリとそう言ったグレイス
小さな唇を噛みしめて、地面を睨みつけている
その表情を見て、少なからず俺の事を慕っていてくれた事が伝わってきて
嬉しくなる
悲しみに満ちていた心に、ぽっと明かりが点いて、自然と笑みが零れた
「ありがとう、グレイス」
この国へ来て、彼女には本当に世話になった
よそ者の俺の身の回りの事を文句1つ言わずにやってくれた
この国を案内してくれたり、この国のいろんな事を教えてくれた
そして、父の事も
献身的に看病してくれた
感謝しても、しきれない