「あれは...」



しかし、視線を少し上げた所で再び言葉を無くす



森の先に見える、帰らずの平原

そこには、数えきれない程のガスパルの大軍が控えていた




7万人の兵―――




目の当たりにすると、足が震える

想像を絶する、その軍隊の多さ

震える体を抑える様に、唇を噛みしめた



体に響く地響き

死んでいく者達の鳴

咽返るような血の匂い



以前の光景が脳裏に浮かぶ

真っ赤な血で染まったアネモスの地を――



あんなに美しかった世界が、まるで地獄と化した

人がまるで花の様に散っていく



ハラハラと

命の灯を消していく