石造りの螺旋階段を駆け上がる
上がる息の下で、何度も唇を噛みしめた
しばらくすると、砦の見晴らし台の上に出た
目の前には騎士達がズラリと並んでいる
「姫様っ!!」
「そのままでよい!」
私の姿を見て、驚いた顔で跪こうとする騎士達を制する
そして、駆け上がってきた勢いのまま、見晴らし台の端まで駆け寄った
しかし
眼下の景色を見て、息が止まった
「――なんという事だ....」
生い茂る森から聞こえる悲鳴
溢れでてきたガスパルと斬り合う騎士達
世界が赤に染まって
黒に満ちている
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