「――姫様っ!!」




勢いよく部屋に飛び込んできた騎士が跪く

その声に弾かれる様に顔を上げた




「報告いたします。ただいまガスパルの騎馬隊が我が軍に向かって進軍してきました!」

「騎士達は!?」

「我が軍も残りの騎馬隊を向かわせております」



顔を上げずに大声でそう言う騎士の姿を見て、息が詰まる

先程の地鳴りは、それかと思って




「戦況は? 敵の数は?」



勢いよく立ち上がって、跪く騎士の前まで駆け寄る

それでも、一向に返事はない



一瞬にして、重たくなる空気



周りの騎士達や大臣達が固唾を飲んで、跪いている騎士の言葉を待っている