「森を抜けられたら終わりだ。森で食い止めるんだ」

「しかし、あの大軍を見ろ!! 我らの兵だけでは防ぎきれぬ!」




ホリスの言う事は正しい

それでも、俺達に援軍は来ない

戦う他、術はない




「それでも、やらなければ―――っ! ホリス!!」




目を吊り上げるホリスの肩を掴もうとした時

その背後で黒い兵達がものすごい早さで駆けていくのが見えた

俺の声に反応して、勢いよく眼下に目を移したホリス




「騎馬隊の襲撃だ!! 戻るぞ!!」




そう言って、目を見開いたホリスの手に握られた手綱を引く


勢いよく駆ける馬上で、横目で眼下を見下ろす

黒い波の様なガスパルの兵が物凄い勢いで森に突進している




俺達の騎馬隊とぶつけるつもりだ