想像以上だった
深い森の中では煙の様な白い霧が覆う
しかし、その先――
帰らずの平原から、大軍と言うに等しいガスパルの兵達が控えていた
世界を黒に覆うほどの、大軍
5万――
いや、7万はいる
言葉が落ちない
頭の中が真っ白になる
「ガスパルッ!!!」
すると、怒りを噛み殺したようなホリスの声が耳に届く
その声の先に目を移すと、歯を食いしばりながら拳を握りしめるホリスがいた
怒りに身を任せて、体を震わせている
「こんな大軍に、どうやって戦えばいいのだっ!!!」
吐き捨てる様なホリスの言葉が、虚しく風邪に乗って消える