再び深い霧に覆われて、世界が白に染まる

その中で、後方から世界を響かせる地鳴りが聞こえた



途端に体の横を通り過ぎていく強い風

隣を見ると美しい馬に乗った騎馬隊が、ガスパルの大軍に向かって攻めていく




「アレン!!」




不意に名を呼ばれて、辺りを見渡す

すると、白馬に乗った1人の騎士が馬上から俺に向かって手を伸ばしていた



すかさず駆け寄って、その手を掴む

勢いよく馬の上に乗り、下にいるガスパルを斬りつける




「ホリス!」

「怪我はないか! アレン!!」



美しい銀の髪をなびかせて、ホリスがそう言う




「大丈夫だ! このまま山の上へ!」

「どうしたのだ!?」

「敵の数が予想以上だ! 一度全体の兵の数を確認したい!」




怒号の響く中で、その音に負けない様に声を張る