「配置は」

「はっ。予定通り、森に騎士達が待機しております」



鎧に身を包んだ騎士がホリスに向かって、太陽を背に跪く

その姿を見て、一度大きく息を吐いた

いよいよだ、と思って




「行くか」



真っ直ぐ前を向いたまま、ホリスがそう呟いた

その声を合図に、部屋の中から外へと出る騎士団


途端に眩しい太陽が瞳の奥を貫いて、思わず目をしかめた

それと同時に、どこか寒さを帯びた風が頬を撫でていく



もうすぐ冬だ




「葉が落ちる前でよかったな」



目の前の広大な森を見つめながら、そう呟く

冬に片足突っ込んではいるが、逞しい木々は未だにその体に葉を付けている

そのおかげで、身を隠すにはもってこいの場所になる



土地の利を生かす



それが、俺達の戦い方