今までと変わらない

ただ繰り返されていた、日常

当たり前に訪れていた、未来



それなのに、今はそれが酷く幸せな光景に思える

今では、夢の中だけで見られる未来





「他愛無い夢だろう?」




最後にそう言って、もう一度微笑んだレイア

その姿を見て、思わず彼女を抱きしめた



その姿が、今にも崩れ落ちてしまいそうだったから




胸の中にスッポリと収まる彼女を強く抱きしめる

ゆっくりと広がる彼女の体温を感じて、波立っていた心が落ち着いていく



俺の抱きしめる力に応える様に、レイアの腕が俺の背中に添えられるのを感じた

ぎゅっと抱きしめあう俺達の間に言葉はない



いや―――



言葉を発したくなかった

その瞬間、現実の世界に引き戻されるから



暗い

現実に