「――今日、夢を見た」




唐突に落ちた声で我に返る

いつの間にか俯いていた顔を上げると、柔らかく微笑むレイアが俺を見つめていた



軍の配置の確認をする為にレイアの部屋を訪れていた

それでも、彼女を前にすると、どうにもこうにも悲しくなる

彼女の姿を見る度に、迎える未来が辛すぎて、目を逸らしたくなる





「どんな夢?」



そんな心の内を悟られまいと、いつもの様に微笑んで彼女に問いかける

どこか陰っている、この部屋の中で




「他愛無い夢だ」



その中でも、変わらず美しく輝くレイア

まるで彼女の周りだけ、異世界の様に感じてしまう




「私がいて、ゲルがいて、ホリスやグレイスがいて――そしてアレンがいる」

「――」

「ただ、皆で一緒に笑いながら話している夢だ」