「――この国を去れ。風の者よ」




もう一度言われた言葉は、もはや言い返せないほど、強いものだった

その瞳の中に、ホリスの強い意志を感じて何も言えなくなる




いや―――捕虜の分際で、俺に意見する権利など、どこにもない




でも、やっと芽吹いたこの気持ちを容易く摘み取りたくない

この燃える様な想いは、今もその熱を彼女に向けているのだから



ぐっと手に力を入れて、口を開こうとした

その時





「――明日だ。そなたの意見は聞かぬ」




告げられた言葉は

この恋の終わりだった