俺の胸に顔を埋めて、どこか籠った声でそう言うレイア

その姿が俺の胸を締め付ける




「すべてが終わったら、一緒にグレイスの言っていた花を見に行こう」

「――」

「きっと、綺麗だから」




どこか切ない約束を、ここにする

叶えられないかもしれない約束を




――幸せだった日々に決別を




俺は彼女を守る騎士

どんな事があっても、彼女を守る

例え、命を落としても―――





「約束だ――アレン」



ぎゅっと、俺の服を握る彼女



他愛ない約束が、彼女の支えになればいい

絶望の縁に立った時に、それが彼女の光になれば



ゆっくりと、体を離して見つめ合う

美しい、その瞳を見つめて

そっと口づけをする




時間が止まればいいと、思いながら