皆の視線が彼女に向く

真っ直ぐ前を見据える、レイアに



すると凛とした表情のまま、一度目を閉じたレイア

小さく息を吸って、その唇を開いた




「ここにいる者は皆、私の大事な人達だ」

「――」

「この国に住む、すべての者が私の家族だ」




そう言って、ゆっくりと瞳を開けた

輝くターコイズの瞳が、揺れる事なく前を見据える

ただ、真っ直ぐに




「この国を奪われて、たまるか」




強く言い放ったその声に、ぐっと奥歯を噛みしめる



もう戻れない

柔らかい日々には、もう――