「戦うんだ!! 剣を持って。必ず道は開ける」
諦めて剣を置けば、我らの負けだ
だが、諦めなければ必ず道は開ける
必ず
「この国は天然の要塞だ」
すると、急に部屋の中にそんな声が落ちる
部屋にいた者、皆揃って声のした方に振り向くと
扉に体を預けて、不敵な笑みを浮かべる父がいた
「ゲル‥」
「深い霧に覆われた、あの森を生かせば、こちらにも勝機はある」
ゆっくりと、円陣を組む様に地図を囲んでいた俺達の元に、ゆっくりと歩み寄ってくる父
唇の端を上げて、不敵に笑う父の姿は
いつも戦の時に見る、独特の空気を纏っている
「数が多ければ動きも遅い。奴等がここに着くまで、まだ時間はある」
地図の上にトンっと指を置いて、不安気な表情の皆を見回す
どこか楽しそうに