誰もが思う

――負ける




援軍を呼ぶ事ができない、この国では

この国を守る騎士達がすべてだ



しかし、その騎士の数だけでは勝てないのは明らか

どれだけ、この国の騎士が強くても

これだけの数の差があれば、勝てるわけがない




それでも――




「まだ時間はある。我々には土地の利がある。数では勝てなくとも、我らに勝利の道は残っている」



誰もが口を閉ざした部屋の中に、俺の声が響く

ゆっくりと顔を上げた皆をゆっくりと見渡す




「勝手はさせない。守るんだ――自分の国を」




この美しい景色も

穏やかな世界も



守らなければ