「そなたは、騎士達を至急集めてくれ」
「はっ」
「グレイス」
「お側に」
「すまないが、父を探してくれ。見つけ次第、レイアの部屋に」
「畏まりました」
瞳を揺らすグレイスの肩を力強く掴む
ビクンと肩を一瞬上げた彼女の目をじっと見つめる
「大丈夫だ、グレイス。しっかりしろ!」
まるで自分に言い聞かせる様に、彼女に言葉を落とす
そんな俺の姿を見て、ぐっと唇を噛みしめたグレイス
そして、揺れる瞳を押さえて
コクンと一度大きく頷いた後、踵を返して駆けて行った
その後ろ姿を見送りながら、垂れた両手をグッと握りしめる
迫り来る悪魔達を、その目の先に映して