4日‥‥




それは、もう近くまで来ているという事だ

ガスパルは一度、この国に入った事がある

帰らずの平原に兵を向ける事は、通常ありえない



そんな中、平原を横断して向かう先は

ただ1つ





――アネモス。






「ホリスはっ!?」

「ただ今、こちらに向かっております」

「私の部屋へ」




狼狽した騎士の声に被さる様に、レイアの声が静かに伸びる

勢いよく隣を向くと、先程までの揺らいだ彼女の姿はどこにもなく

いつもの凛とした姿で俺達を見ていた




「私の部屋へ通せ。アレンも共に」

「――あぁ」




そう言い終えると、衣を翻して歩き出したレイア

一瞬水を打った様に静まり返った世界だが、再び忙しなく動き出す