その姿が愛おしくて
風に揺れる、その髪が美しくて
思わずギュッと抱きしめた
天からの恵みの様な光が
王宮のこの小さな中庭に降り注ぐ
冬の気配がする
どこか寂しい、この季節にも
暖かな場所があるのだと、教えてくれる
「言っただろう? 俺はレイアと共に生きると」
何を捨てても
何を失っても
俺は彼女と生きる道を選んだ
例え、父と離れ離れになっても
その気持ちは変わらない
「俺はレイアが側にいれば、何もいらない」
「――アレン」
美しい声が俺の名を呼ぶ
ゆっくりと胸から離れた熱を、再び引き戻したい衝動に駆られるが
目の前に映る、天使の様な笑みを見て
思わず目を細めた