「私の、目標だった」




大きな瞳を伏せて、微笑む彼女


その姿がどこか頼りなくて、抱きしめたい衝動に駆られる

それでも、目の前にいる父さんやホリスがいるせいで、それができない

溢れる衝動を抑える為に、ギュッと両手を握った




「父様は厳しい御方ではあったが、どんな時も民や私達の事を考えてくれていた。自分の事よりも、何よりも周りの人達を大切にされている方だった」

「――」

「母様は、そんな父を支える、何事にも揺るがない強い御方だった。でも、とても優しく、いつも笑顔で私や兄様の話を聞いてくれた」



以前、レイアが言っていた言葉を思い出す



〝――母様の様になりたかった――″



きっと、そう思えるほど

ﾚｲｱにとって、母上は素晴らしい御方だったのだろう