青空の中に、昇ってきた月を見る
暗闇の中で輝く月も好きだが
青空の中で、雲の様に映る月も好きだ
「父様と母様と兄様と一緒に過ごした日々と似ている」
「――」
「とても穏やかで...温かい」
その瞳を閉じて、笑みの上でそう言うレイア
その言葉を聞いて、以前から気になっていた事を問う
「レイアの両親や兄様は、どんな御方だった?」
ガスパルに攻め入られた時に亡くなった、レイアの両親と兄上
今はもう、思い出の中でしか生きられぬ存在
それでも、知りたかった
レイアを産んでくれた人の事を
レイアを守ってくれた人の事を
レイアを育ててくれた人の事を
いや―――。
彼女にまつわる事、すべてを知りたかった